ラカン

ジャック・ラカン。フランスの精神分析家。
フロイトの精神分析を発展的に引き継いだパリ・フロイト派の総帥。
ラカン派精神分析では「去勢」の概念が人間を人間たらしめる契機として扱われ、主体化された人間は、多型的な欲望を断念するかわりに「ファルス」と呼ばれる特権的な記号を抱えて生きていると考えている。
また、ラカン派精神分析では、主体を三つの審級の組み合わせから成るものと考えられており、人間が人間であるために重要な、言語的な世界である「象徴界」、知覚の世界であり、動物や幼児も備えているとされる「想像界」、不可知、不可触の世界である「現実界」の三つがそれである。
人間は、「現実界」そのものを知ることができず、「象徴界」「想像界」の裂け目に一瞬だけ現れることがあると言われる。

なお、ラカンの精神分析に対しては厳しい批判も寄せられている。